小学校中学年、男子が主人公のプログラミング指南マンガ

主人公は小学校4年生の男子。ライバルや同級生の女子と一緒に、プログラミングを初歩から学びます。
このマンガでは、Scratchというプログラミング言語の操作や考え方を主人公たちが徐々に身につけていくストーリーが描かれています。
初歩からと言っても、「自分のオリジナルゲームを作りたい」という野望を持つ小学生に退屈な解説は届きません。最初からワクワクと楽しめるステップで進んでいくのが特徴的です。

要所に挟まれた解説記事も、豊富で実践的な内容

章ごとに数ページにわたる解説記事があり、その章で出てきたプログラミングに関する知識について、より詳細な操作方法やマンガの表現では理解しにくい内容が丁寧に解説されています。
変数、乱数、スプライトごとのスクリプトの連動など、子どもたちが始めて出会うような概念も、マンガと解説の両面からフォローされ、わかりやすいように工夫されているのです。

本文の全ての漢字にふりがなが振られているので、ひらがな・カタカナが読める子どもなら読むことができます。
しかし、本当にプログラミングが初めての小学生が読むには、少し難しいであろう専門的な内容も含まれています。

学校の勉強に直接役立つプログラムも作成

「ゲームを作りたい」というのが主人公のプログラミングを学ぶ動機です。
しかし、途中で算数と国語のテスト勉強に悩み、計算と漢字の出題ソフトを作成する章があります。
遊びだけではなく、学校の教科の勉強に役立つ使い方もできるという一つの例として参考になります。

そして主人公は、出題ソフトを作成する際に学んだことを応用し、ライバルや友人との協力の末、最後には本格的なシューティングゲームを完成させるのです。

「ゲームで遊ぶ」のではなく「ゲームを作って遊ぶ」体験ができる本

本書を読みながら掲載されている全てのプログラムを自力で作ることもできますが、後半は難易度が上がります。例えば「クローンを作る」という方法で画面の様々な場所にお化けのキャラクターを出現させるスクリプトは、大人でもなかなか手こずりました。
しかしそんな時には、Scratchにある、世界中のユーザーが作っているプログラムを共有し、使ってみて、自分なりに改変(リミックス)することできる機能が役に立ちます。その機能を利用して先に共有されているきちんと動くプログラムで試して、中のスクリプトを参考にしてプログラミングのコツを覚えるという使い方ができるのです。

これはScratchに掲載されていた前出の漢字の出題ソフトを実際に改変(リミックス)した例です。
ここでは参考にするのではなく、機能を追加しました。
画面上の「旗」をクリックすると実際に回答できるようになります。
※動作しない場合はFlashを有効にしてください。スマホの方はパソコンからご確認ください。


あとがきにもあるとおり、一気に全ての内容を理解する必要はありません。
この本の主人公たちが作ったゲームのプログラムやScratchにある他のユーザーが作ったプログラムを、見たり、改変したりしながら基本を学び、さらに「こういうものを作りたい」という独自のアイディアが出た時に改めて本書を読み返して、さらに理解を深めていくのが無理のない進め方でしょう。
ゴールデンウィークや夏休みなど、まとまった時間が取れるときにこの本でScratchを学んで、「ゲームで遊ぶ」だけでなく「ゲーム(しくみ)を作る」ことに夢中になり、例えば「自由研究」として発表するような子がいろいろな所で登場するのではないかと楽しみになりました。

出版社 ポプラ社
著者 落合 ヒロカズ (著), たにぐち まこと (監修)
発売日 2017/2/1
ISBN 9784591152683
価格 1,080円(本体1,000円)
仕様 A5判,210mm x 148mm,207ページ

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