プログラミング教育必修化に向けた先生方のための教科書

出版社 ジャムハウス

2020年から実施される新学習指導要領で小学校でのプログラミング教育が必修化されます。本書は、授業にプログラミングをどのように取り入れるのか、どのような指導をすればいいのか戸惑っている先生方のための本です。
まず冒頭の3章にわたって、プログラミング教育の理論が解説されています。
続く4章では算数、英語、音楽、社会、国語、理科、総合的な学習など、様々な授業シーンで活用できるScratchの教材が紹介されています。

理論編ではプログラミング教育の考え方がわかる

第1章~第3章の理論編では、必修化されるプログラミング教育とは何か、どんな考え方でプログラミング教育を導入するのかを解説します。

プログラミング教育開始の背景は何か

第1章では、これからの職業がどのように変化していくのか、現行の学習指導要領で実施されている「手段としてのICT活用」とは何が異なるのかといった観点で、なぜ今、プログラミング教育なのかを説明しています。
新学習指導要領の中で、小学校のプログラミング教育は教科の学習の時間で行うものとされ、特に算数・理科・総合的な学習の時間では必ず実施することが明記されています。
諸外国のプログラミング教育が独立教科か独立科目で行われる中で、教科におけるプログラミング教育は世界的に見てもユニークなものです。

プログラミング教育で育む論理的思考と他教科の学習目標の関連

第2章では、大学生60名を対象として行った、プログラミング問題と教科の問題の正解率調査の相関分析が行われています。
新学習指導要領で述べられている「プログラミング教育における論理的思考」が、他教科の学習目標を達成するのに必要な論理的思考とどういう関連があるのかを明らかにしています。

なぜビジュアルプログラミング言語なのか

小学校におけるプログラミング教育の実践例のほとんどがブロックでコンピューターへの命令を組み立てるビジュアル系プログラミング言語を採用しています。第3章では、構造化、可視化、操作の3つの観点から、なぜビジュアルプログラミングが有効なのかを評価します。

7教科分、18編の実践的な授業教材

他教科とのクロスカリキュラムでプログラミングを学ぶ形式は、先行している諸外国でもあまり例がなく、授業を行う先生方に向けた教科書や教材がありませんでした。第4章では、筆者が独自に開発した教材が掲載されており、自由な活用を促しています。

複数教科横断を含め、様々な単元でのプログラミング教育の授業教材が提供されています。実に7教科分、18編の教材は、以下のようなラインナップです。

1 算数 速さ問題
2 算数 多角形
3 算数 場合の数
4 英語 地図案内
5 音楽 曲のプログラミング
6 社会・算数 長さ比べ
7 社会・算数 面積比べ
8 社会 県名クイズ
9 社会・英語 国旗作り
10 国語 俳句クイズ
11 国語 言葉ゲーム
12 国語 ストーリー作り
13 理科 空気の圧力
14 理科 電気
15 理科 月の見え方
16 総合的な学習・特別活動 面接練習
17 総合的な学習 時間割作成
18 総合的な学習 経路問題(アンプラグド)

それぞれの「教材のねらい」で、その単元にプログラミングを掛け合わせることへの期待効果や、指導のポイントなどが書かれています。
WEBサイトでの簡単な登録で18編の教材のファイルを入手することができ、実際にプログラムを動かしながら授業の組み立てを考えることができます。
プログラミングの経験のない読者も教材作りに必要なプログラミング技能が習得できるよう、各教材に「プログラミングの特徴」の解説があります。

授業の中で条件を変えながら「もし○○だったらどうなる?」というバリエーションを児童に試させたり、地図を住んでいる地域のものに差し替えたりすることで、子ども達にとってより身近な教材となり、授業も生き生きとしたものになりそうです。

「教科におけるプログラミング教育」の具体的イメージが掴める一冊

学習指導要領を見ただけでは、教科と同時にプログラミングもという学び方に具体的なイメージが持てずにいましたが、本書の解説を読み、紹介されているたくさんの教材を実際に動かしてみることで、それがとても挑戦的で、しかし期待効果の高いアプローチであることがわかりました。
2020年以降の小学校の授業の計画を練っている先生方に、是非手に取っていただきたい一冊です。

出版社 ジャムハウス
著者 赤堀侃司
発売日 2018/4/4
ISBN 4906768474
価格 1,944円(税込)
仕様 151ページ

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