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(ページの下部に「プログラミングで育成する資質・能力の評価規準(試行版)」へのリンクがあります)

2020年度から小中学校で実施される次期学習指導要領では、小学校段階における「プログラミング教育」の必修化が明記されます。ベネッセコーポレーションでは、プログラミング(「プログラミング的思考」※の育成に資する学習活動)で育成を目指す資質・能力、および、それを評価するための規準を、中央教育審議会の審議取りまとめ、文部科学省有識者会議の議論取りまとめ、海外の事例などを参考に、大学・企業・NPOに所属する複数の有識者と協力して作成しました。

※「プログラミング的思考」

自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力。

「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」(文部科学省)(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/074/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/07/07/1373891_5_1_1.pdf

なぜプログラミングが必要なのか?

なぜ今、小学校を含めた初等中等教育段階で、子どもたちがプログラミングに関わる学習活動をする必要があるのでしょうか。われわれは、次のような3つの理由があると考えています。

1.身近になったコンピュータを活かすことが必要

人類の長い歴史の中で、コンピュータの登場は、社会構造を大きく変化させ、人間生活を劇的に変えつつあります。特に、インターネットの普及により世界中のコンピュータがつながる可能性を持ったことで、スマートフォンやタブレットなど、コンピュータが「情報端末」という形でわれわれの身近に当たり前のように存在する時代になりました。

言うまでもなく、コンピュータは様々なアプリケーション・ソフトによって“便利な働き”を実現するデバイス(装置)で、それらは、すべてプログラミングという作業により人間によって創り出されたものです。つまり、身近になったコンピュータを活かすか、活かさないかは、プログラミングという作業により産み出されるソフトウェアの良し悪しにかかっているのです。プログラミングを知ることで、コンピュータの活かし方をより深く理解することができるようになります。

2.情報手段は使うだけでなく創り出すことも必要

コンピュータやインターネットの普及が進んだ現代では、情報のデジタル化によってもたらされた情報の氾濫と社会システムの複雑さが、身近にある問題の解決を難しくしています。このような時代を生き抜くには、既存のICTを決まり切った方法で使うだけでなく、直面する問題に対してどのようなアプローチがあるかどうかを合理的に判断し、大量の情報から解決につながる情報を適切に選び出し、適当な情報手段を活用して解決策を見出す必要があります。また、必要に応じて新たな情報手段を創り出すスキルも必要になり、さらには自らが創り出した情報を発信することが求められます。

このような一連の流れにおいて、情報および情報手段を自在に活用できる能力が求められますが、特に、データ分析やシミュレーションを活用する場面ではプログラミングの能力が有効に機能します。このように、プログラミングの能力は新たな情報手段を創り出すことを可能にし、高度な問題の解決に導く役割を果たします。

3.論理的に考えを進める習慣を身に付けることが必要

プログラミングは、コンピュータが理解できる“言葉”(プログラミング言語)を使って人間がコンピュータに指示する作業です。コンピュータそのものは融通のきかない機械で、文法にしたがって正しく命令を伝えない限り、こちらの意図する動きはしてくれません。人間同士のコミュニケーションなら、多少の曖昧さがあっても成立しますが、コンピュータとのコミュニケーションでは、プログラミング言語を正しく用いて、論理的整合性のある手続きのまとまり(プログラム)を与えなくてはなりません。

このようなコンピュータとのコミュニケーションを通して、論理的でない指示や誤った表現を取り除く作業(デバッギング)の重要性を体験的に学習することを可能にするのがプログラミングです。この学習を通して、“石頭”の機械を自分の味方にすることで、複雑なしくみを無意識のうちに単純な要素の構成に分解することを身に付け、単純な要素を再構成してより高度なしくみを思いつくことが身に付き、相手に筋道立てて伝えられる表現力を身に付け、結果として、論理的思考力や合理的判断力を養うことに役立ちます。

文部科学省による小学校段階での「プログラミング教育」の在り方について

次期学習指導要領では、新しい時代に必要になる資質・能力として「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の三つの柱が重視されています。文部科学省では、小学校段階の「プログラミング教育」の在り方を検討した結果、「プログラミング教育を通じて目指す育成すべき資質・能力」を次のように示しています。

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「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」(文部科学省)(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/074/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/07/07/1373891_5_1_1.pdf)

プログラミングで育成を目指す資質・能力

ベネッセでは、文部科学省が示した「プログラミング教育を通じて目指す育成すべき資質・能力」の枠組みや海外の事例を参考に、大学・企業・NPOなどに属する有識者と協力して、プログラミングで育成する資質・能力を以下のように整理しました。

【知識・技能】

  • 文部科学省による定義

(小)身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には必要な手順があることに気付くこと。

  • ベネッセによる整理
知識 ・プログラムの存在を知る
・コンピュータがプログラムにより様々な動作をすることを知る。
・処理の自動実行の意味を知る。
・プログラムは、順次、繰り返し、条件分岐という処理の組合せで構成されていることを知る。
・処理の手順を表現する方法を知る(フローチャート等)。
・様々なプログラミング言語があることを知る。
・変数の考え方を知る(データ表現とデータ型)。 等々
技能 ・文字入力ができる。
・簡単なプログラムを実行できる。
・プログラムからコンピュータの動きを想像できる。
・センサーやアクチュエータなどを使って、プログラムによる簡単な計測・制御の実験が行える。
・並べ替えや整列などのアルゴリズムをプログラミングによりシミュレーションして比較できる。 等々


【思考力・判断力・表現力等】

  • 文部科学省による定義

発達の段階に即して、「プログラミング的思考」を育成すること。

  • ベネッセによる「プログラミング的思考」の整理
観点
説明
動きに分ける 自分が意図する一連の活動を実現するために、大きな動き(事象)を解決可能な小さな動き(事象)に分割すること。いわゆる分割。
記号にする 分解した動き(事象)の適切な側面・性質だけを取り出して他の部分を捨てること。いわゆる抽象化。
一連の活動にする 記号(動き)の類似の部分を特定して、別の場合でも利用できる内容にすること。いわゆる一般化。
組み合わせる 同様の事象に共通して利用できる明確な手順を創造すること。
振り返る 目的に応じて、必要十分な評価の観点を考え、実行したことが、意図した活動に近づいているかどうか評価すること。
論理的に考えを進める 論理的推論と分析を行うこと。

【学びに向かう力・人間性等】

  • 文部科学省による定義

発達の段階に即して、コンピュータの働きを、よりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度を涵養すること。

  • ベネッセによる整理
観点
説明
挑戦する 新たなことでも、ひるまず試して触ってみる態度を養う。経験して取り組みの素地を作ろうとする態度を養う。
やり抜く 目標に向かって、粘り強く、寛容な心と強い意志をもってやり抜く態度を養う。
協働する 他者を尊重し、他者と一緒に創造しようとする態度を養う。
創造する 新しいものや価値を創り出そうとする態度を養う。
改善する 目標と合うかどうかを吟味・評価しながら必要な改良を行う態度を養う。

プログラミングで育成する資質・能力の評価規準

学校教育の中で、プログラミング学習を効果的に導入するため、今回、上記の資質・能力を基に、学齢別の評価規準を作成しました。

中学校、高等学校では既に技術・家庭科、情報科の学習指導要領がありますが、小学校ではこのような教科がないため、現状では小学校に於けるプログラミングに関する系統的な評価規準がありません。そこで、文部科学省の「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」に基づいて、大学、高等学校、中学校で学ぶ内容の基礎となるべき小学校段階の資質・能力の評価規準を、三つの柱(知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等)別に作成しました。

ベネッセコーポレーションは、引き続き実証授業などを通した評価規準の改善、評価と指導の一体化に関する研究を行って参ります。また実証授業にともない、この評価規準も継続的に改善しながら、より教育現場に即した情報を提供していくことを目指して参ります。

「プログラミングで育成する資質・能力の評価規準(試行版)」Ver.1.0.0(2017/5/27版)

NPO法人CANVASのサイトのダウンロードフォームに遷移します。ダウンロードいただくにはリンク先の画面の「個人情報の取り扱い」をご確認の上、必要な情報のご入力をお願いします。株式会社ベネッセコーポレーションとNPO法人CANVASは共同で評価規準の実証に取り組んでいます。入力いただいたメールアドレスには、今後CANVASの情報に加えて、「プログラミングで育成する資質・能力の評価基準」に関する取り組みの更新情報なども送付させていただく場合がございます。

「プログラミングで育成する資質・能力の評価規準」についてのご意見やご要望、実際に活用してみた声などを以下の連絡先にお寄せください。

■連絡先
1. prog@mail.benesse.co.jpにてご連絡ください。
2.引用・転載した刊行物がございましたら、以下までお送りください。

㈱ベネッセコーポレーション 商品基盤本部
〒206-8686 東京都多摩市落合1-34

初等中等教育におけるプログラミングの役割について

このページでは、プログラミングで育成を目指す資質・能力とその評価規準に絞って説明しましたが、実際には、プログラミングは情報活用手段の1つであり、実際にプログラミングを行うには、ICT活用能力や、情報モラルを身に付けることも重要です。これらについては以下の既存の資料を参照してください。